宅建持ってるとできる仕事って?宅建とはどんな資格かゼロから解説!
■ 宅建ってどんな資格?何ができるようになるの?
■ 宅建を持ってるとどんな仕事ができるんだろ?不動産以外でも活かせる?
■ 気になるけど、自分にも取れるかな?
宅建は不動産、建築、金融業界などで活かせる国家資格です。
宅建士は常に求められる人材なので、年収アップや就職転職にも有利!パートやバイトでも仕事が見つかりやすいです。
宅建士が人気なのは、コスパがいい資格だから!
私は、不動産業界で10年以上勤めるなかで、様々なかたちで宅建を活用し働く人たちをみてきました。
この記事では、宅建資格の概要と取得するメリットデメリット。資格取得にかかる費用や試験の難易度などを解説しています。
この記事を読むと、宅建がどんな資格かわかります。受験を検討している人は、ぜひ参考にしてください!
大手不動産会社で社内営業成績1位を3年継続
学力皆無、地元でドベの高校卒
宅建試験4度の不合格を経て5度目の受験で合格
宅建試験1ヶ月前に第一子を出産
資格
宅地建物取引士|賃貸不動産経営管理士|2級ファイナンシャル・プランニング技能士
親が地主、オーナー会社共同経営
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宅建とはどんな資格?
「宅建士」とは、「宅地建物取引士」という国家資格の略称です。
「宅建試験」とは、宅地建物取引士になるための試験(宅地建物取引士資格試験)のことを指します。
2025年度宅建試験概要 | |
---|---|
試験日 | 毎年1回 10月の第3日曜日 2025年度(R7)は10月19日予定 |
申込期間 | 郵送:7月1日〜7月16日まで(当日消印有効) ネット:7月1日9時30分〜7月31日23時59分まで |
合格発表 | 原則11月下旬 |
受験手数料 | 8,200円 |
試験の方法 | 50問・四肢択一式による筆記試験 ※登録講習修了者は45問 |
試験時間 | 13時〜15時(2時間) ※登録講習修了者は13時10分〜15時(1時間50分) |
受験資格 | なし |
宅建士は不動産取引における専門資格です!
この章では、宅建とはどんな資格なのかを解説していきますね。
宅建業者が不動産取引を行うには必須の人材
宅建業者には、宅建士の設置義務というものがあります。
従業員5人につき1人以上の宅建士が常に必要です!
従業員20人なら、そのうち4人は宅建士じゃないとダメ!50人に増えたら、10人以上の宅建士が必要です。
なんでそんな決まりがあるのかというと、宅建業者が素人集団では取引の相手に迷惑をかける可能性が高いからですね。
宅建業者は、宅建士の人数が規定より少なくなった場合、2週間以内に必要な措置を取らなければ、宅建業を行うことができなくなります。
自動車免許でいうところの免停状態に突入…!
宅建業の取引とは宅地や建物の売買や貸借の斡旋(仲介)をすること。ほとんどの場合、メインのお仕事のはずなので、できなくなるとかあり得ません!
でもギリギリの人数で運営してたら、誰か1人でも辞めたらすぐに宅建士を1人雇うか、他の従業員を減らすなど対応が必要…!
どんな業者さんも、余裕を持った数の宅建士を雇っておきたいと考えて当然ですね。
そのため、宅建資格を持っていると宅建業者に就職しやすくなります!パートやバイトでも大歓迎している会社も多いですよ。
宅建業者はコンビニよりも多い
宅建業者の数はコンビニの総店舗数の約2.5倍以上もあるのをご存知ですか?
2024年時点で、全国のコンビニは55,695店舗、宅建業者は130,583業者!しかも、近年は年々増加傾向にあります。(2023年よりも2024年は約1,000業者増えました。)
もちろん1人で経営している町の不動産屋さんも含まれますが、住友不動産や三井不動産などの多くの従業員を抱える大企業も含まれます。
業者数が多いということは働いている人も多い、従業員の数が多ければ、その分宅建士が必要!
常に需要がある職業!これが宅建資格が人気のポイントです。
宅建士とはどんな資格なのか?まとめると、「宅建業者が不動産取引をするには必須の人材で、そのために需要が大きい資格」といった感じです!
宅建を持ってるとできること!具体的な仕事内容を解説
宅建業者には宅建士が一定数必要で、宅建士を雇う需要が大きいことがわかりました。
では、宅建を持ってるとできることって実際どんな仕事でしょうか?
宅建を持っていると「宅建士の独占業務」ができるようになるよ!
\宅建を持っているとできる仕事/
どれが欠けても宅建業者は宅地建物の取引ができません。
独占業務なので、宅建士以外の人はできない!つまり、宅建業者には宅建士が必須となります。
これが宅建士のメインのお仕事!
契約前の重要事項説明
不動産取引をするときには、買主(借主)は契約前に重要事項説明を受けます。
重要事項説明は、簡単にいうと「こんな土地(建物)だけど、本当に契約で大丈夫ですか?」と、契約前に改めて大事なことを書面で確認する機会です。
35条書面(重要事項説明書)を宅建士が読み上げ、買主(借主)に説明します。
「重要事項説明書」って長いので、実務上は「重説」と略します。
契約の前に、改めて詳細を確認することで、思ってたのと違う!ということにならないように行います。
説明の時間は、賃貸の貸借(マンションやアパートの部屋を借りる場合)だと、10分〜20分くらいが一般的。
お客様からの質問が多い場合などは1時間くらいになることもあります。
売買の場合は2時間前後、こちらもお客様からの質問が多い場合などはさらに数時間かかることもあります。
35条書面(重要事項説明書)への記名
重要事項説明に使用する書面である35条書面(重要事項説明書)には、「宅建士が内容を確認しました。」ということで記名をします。
記名というのはサインみたいなもの。どこの誰が説明したのか分かるように、名前・登録番号・勤めている事務所の情報などを明記します。
実務上は判子でおしたり、印字しておくことが多いです。
元々は捺印も必要でしたが、最近の法改正で記名のみになりました。
\タップで拡大できます/
重説は、営業担当が作成したものを宅建士がチェックして記名する場合もあれば、事務員の宅建士が自ら作成する場合もあります。
この辺りは会社によって異なると思います!私が勤めている会社では基本的に営業担当が作成します。
営業担当が重要事項説明書を作成
↓
営業本人が宅建士なら、そのまま重説まで担当
↓
営業担当が宅建資格を持っていない
↓
営業が作成した重説を説明を担当する宅建士がチェック
↓
チェックした宅建士が記名し、お客様へ説明
実際に物件について詳しいのは営業担当なので、本人が宅建を持っていて説明まで担当するのが理想。お客様も安心ですよね。
不動産売買が主な会社の場合、営業担当は宅建取得を会社から促されます。
賃貸物件の仲介がメインの会社では、重説はパート(バイト)さんや重説担当の事務さんにお願いする会社が多いようです。
最近はZoomなどを活用したオンライン重説を行う場面も増えました。
つまり、そういう会社だと主婦宅建士やバイト宅建士、副業宅建士の需要があります。
宅建とれないとクビになることもある?
宅建業者にとって、宅建士は実務上重要な資格。極端な例だと下記のような企業が実際にあります。
- 新卒採用「宅建取れないと内定取り消し」
- 中途採用「◯年以内に宅建取得しないと解雇」という雇用契約
- 宅建取得が昇進の条件(銀行員などもこのケースがあります。)
学生さんは、就活が忙しくなる前に取っておくのがおすすめ!
37条書面(一般的には契約書)への記名
契約が締結されると、「こんな内容で契約しました。」と、契約内容を書面に残して売主と買主の双方が保管します。これが37条書面(一般的には契約書)です。
37条書面にも、内容を宅建士が確認しました。ということで、宅建士の記名が必要です。
37条書面も実務上は営業担当が作成、または契約書作成部隊が説明担当の宅建士とは別でいる場合が多いですね。
宅地建物取引士資格と宅建免許の違い
宅地建物取引士の資格を取ったら宅建業者として独立できる?不動産売買でガンガン稼いでいいの?
これ、よくある勘違いです!
宅建資格(宅地建物取引士)と宅建業免許は別物。
宅建士は個人が取得する資格であって、宅建を持ってるとできることは上記で解説した3つの独占業務(重説、35条、37条書面への記名)です。
宅建業を営む(商売として不動産取引をする)には、「宅建業の免許」を取得して開業する必要があります。
宅建業の免許は法人または個人で取得します。
資格試験などではなく、要件を満たして申請し、都道府県または国土交通大臣が許可すると免許証が交付されて開業できるようになります。
COLUMN
\管理会社は宅建業者じゃない?/
賃貸のマンションやアパートの管理を主に行なっている不動産会社は、一部宅建業者ではない場合があります。
宅建業の免許が必要なのは宅建業を行う場合です。
宅建業とは、宅地や建物の売買や交換、貸借の媒介や代理などを営利を目的として行うこと。
入居者の募集や入居者対応、建物管理は宅建業にはあたらないので、宅建業の免許がなくてもできます。
つまり、宅建士の5人ルールも適用されません。
だとしても、やはり不動産に詳しい従業員は管理会社でも重宝されます。管理会社勤務の人でも、宅建は取っておいて損なし!
宅建は不動産以外の業界でも活かせる!
宅建の資格は不動産業界以外でも、建築業界や金融業界で活かせます。
前章で解説した「宅建業の免許」を取得して宅建業を営んでいるのは、実は必ずしも不動産会社だけではありません。
宅建業を営んでいる限り、宅建士5人に1人ルールが適応されます!
例えば、不動産会社以外でも建築業界では住宅の販売や土地の取引をする場合、宅建業の免許が必要です。つまり、宅建士の頭数と知識が求められます。
金融業界では、信託銀行などの場合だと継続的に不動産取引を行うので宅建業者と同じく宅建士が必要です。
信託業務のない銀行でも、不動産担保ローンや投資に関するアドバイスを行う際に宅建の知識を活かせます。
そのため、資格保有者は重宝され、宅建取得が昇進の条件に設定される場合も多いです。
宅建は不動産業界以外でも活かせるし、一度取得すると一生ものの資格です。
就活でも活かせるので、不動産、建築、金融業界への就職を検討している場合は学生のうちに宅建を取得しておいたほうがいいですよ!
「宅建×他の資格」は様々な業種で活かせる!シナジー効果がすごい!
宅建取得のメリットとデメリット
宅建取得にはメリットがたくさん。
しかし、資格を取得して宅建士として働くにはデメリットもゼロではありません。
メリットとデメリットをまとめました!
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メリット | デメリット |
---|---|
転職や就職、昇進で有利になる 年収や時給が上がる お客様からの信用を得られる ライフスタイルが変わっても働きやすい | 勉強に時間が必要(目安6ヶ月前後) お金がかかる(教材費や登録費、更新料など) ミスをすると責任が重い |
メリット①|転職や就職、昇進で有利になる
宅建を持っていると、就職や転職、昇進が有利になります。
不動産業界では、先述したように宅建士の設置義務がある会社がほとんどです。そのため、宅建士は優先的に雇う、もしくは従業員の資格取得を推奨しています。
建築関係、金融関係でも!
会社によっては、宅建を持っていないと昇進できないところもあるので、余裕のあるうちに取得しておくのがおすすめですよ!
メリット②|お給料が上がる
宅建を持っていると資格手当が支給される会社が多いです。
宅建士の資格手当は月額2万円〜5万円が相場!年間だと24万円〜60万円。経済的なメリットが大きいですね。
宅建手当が支給される会社の場合、とにかく資格を保有しているだけでずっとお金がもらえることになります。
私の友達で、管理会社勤務の事務員、基本的には重説なんてしていないのに毎月5万円支給されている子がいます。羨ましい!
宅建士はパートやアルバイトでも時給が高いです!
私の住んでいる地域ではスーパーのレジ打ちや、飲食店のホールスタッフなどと比較すると200〜300円ほど高い傾向にあるようでした。
または、同じ時給で別途資格手当2万円支給などの求人が多かったです。
宅建士パート(バイト)は基本事務仕事なので、立ち仕事よりも疲れない。体力的にもありがたいですね。
メリット③|お客様からの信用を得られる
実際に働いていて、資格や肩書きの力を実感するタイミングは多いです。
これは特に、私が営業として働くなかで強く実感しました。
個人の営業スキルや物件の知識は、時間をかけないとお客様には伝わらないんです。
しかし、名刺に「宅地建物取引士」と書いてあるだけで「知識のある人だ」と一撃で伝わり、信頼されやすくなります!
これは、権威バイアスや権威性の法則といわれる心理現象がはたらいているんだと感じます。
権威バイアスとは
専門家が言ってるから正しそう!先生の言うことだから多分あってる!著名なあの人が勧めてるから良いものだろう!
こんなふうに感じて、初見の情報を鵜呑みにしたり、深く考えずに購入したことはありませんか?私はあります!笑
これが権威バイアスや権威性の法則の効果です。
同じように、「宅地建物取引士」や「店長」のような肩書きのある名刺を提示されると、何も書いていない名刺の人に比べて信頼度は段違いに向上します。
もちろん、その後の対応や能力が伴っていないと残念ですが、第一印象が良いと終始いい流れを作りやすいです!
メリット④|ライフスタイルが変わっても働きやすい
宅建士としての働き方は多岐に渡ります。
そのため、ライフスタイルが変わっても働きやすい!
特に女性には重要なことだと思います。独身時代はバリバリの営業として働いて、結婚して子供ができたら時短やパート(バイト)で働いたり。
子育てに専念するためにリモートでオンライン重説だけ受ける働き方もできます。
私のように宅建の資格を活かしたブログ運営やWebライターになるという手もあります!
フルタイムで復帰したくなっても、資格があれば再就職しやすいですよ!
デメリット①|勉強に時間が必要(目安6ヶ月前後)
宅建は、頑張れば誰でも取得できる資格ですが難易度は低くありません。
ある程度の勉強は必要。初めて受験する人は、約6ヶ月くらいを目安に考えると良いでしょう。※1日あたりの勉強時間や、事前知識の有無によって必要な期間は異なります。
学習期間の目安について、詳しく知りたい人はこちらも読んでみてね!
数ヶ月間、継続的に勉強するとなると、普段の生活から勉強時間を捻出しなければなりません。
趣味の時間が取れなくなる、家族と過ごす時間が減る、仕事が忙しいと時間が取りにくいなど、それぞれあると思います。調整が必要ですね!
デメリット②|お金がかかる(教材費や登録費、更新料など)
宅建を取得して働くと、お給料が上がりやすい!しかし、いざ取得するまでには結構お金がかかります。
項目 | 金額 | 該当者 | |
---|---|---|---|
受 験 前 | 教材費 | 勉強法による 約10,000円〜 | 全員 |
A 5点免除講習受講料 | 15,000円〜20,000円 | 宅建業従事者 任意 | |
B 受験料 | 8,200円 | 受験者全員 | |
合 格 後 | C 資格登録手数料 | 37,000円 | 登録希望する場合 |
D 宅建士証交付手数料 | 4,500円 | 交付希望する場合 | |
E 登録実務講習 | 20,000円〜 | 2年以上の実務経験がなく、登録希望する場合 | |
更 新 時 | F 法定講習受講料 | 12,000円 | 登録から5年で更新(合格から1年以上後に登録する場合も必要) |
G 宅建士証交付手数料 | 4,500円 | 登録から5年で更新 |
上記の表をいくつかの例に落とし込んでみるとこんな感じになります。
\例3パターン/
- 宅建業従事者、実務経験2年以上、5点免除受講、登録希望
→ABCDの合計で64,700円 - 宅建業社ではない、実務経験なし、登録希望
→BCDEの合計で69,700円 - 宅建業社ではない、実務経験なし、登録希望しない
→Bのみ8,200円
③の場合だと宅地建物取引士として登録をしないので「宅地建物取引士試験合格者」です。宅建士としての仕事は出来ません。
全パターンで、教材費は別途かかります。
独学:1万円前後
通信講座:2万円〜6万円ほど
予備校:10万円以上
F 法定講習受講料とG 宅建士証交付手数料の合計16,500円は5年毎の更新のたびにかかります。
更新をしないと宅建士として働けませんが、試験合格は一生有効なので一度更新をやめたり、最初は登録しなくても手続きをすると再び宅建士として働くことができます。
7万円+教材費となると、結構な金額ですよね。
でも、宅建士として働くことができればすぐに回収できる金額です!
デメリット③|ミスをすると責任が重い
宅建士は重要事項説明書の記載内容をチェックし、お客様へ内容をきちんと伝える義務があります。
記載内容の間違いや、口頭で説明した内容が誤っていた場合、責任を問われることがあります。
損害賠償などが発生した場合は宅建業者(勤務先の会社)負担で、宅建士個人が高額な請求をされるケースは聞いたことがありません。
しかし、やはり間違いがあった際に責任の所在はどこに…?なんて話になったら、ヒヤヒヤします。
最終チェックは宅建士になることが多い、クレームに直結する最後の砦なので責任重大です。
私も、管理会社さんの資料記載ミスを見逃してしまい、そのまま説明。
宅建士の確認不足を問われて、訴えられる直前まで発展したことがあります。
お給料も上がるので、責任も重くなって当然。ここはメリットとデメリットのトレードオフですね。
宅建試験の難易度や合格率は?
\タップで拡大できます/
宅建試験は難しいと言われますが、正しい勉強法をおさえて、勉強を継続できれば誰でも合格できる試験です!
学歴や、地頭の良さは関係ない!
努力で押し切れます!頑張れば誰でも合格できる!
とはいってもどのくらい難しいのか、難易度や合格率は把握しておきたいですよね。
この章では、宅建試験の難易度と合格率について、過去のデータや他の資格との比較をもとに解説します。
宅建試験の合格率は約16%
過去10年の宅建試験の合格率は16%前後です。合格基準の点数は毎年異なりますが、概ね50点満点中36点前後が合格ラインとなります。
宅建は相対評価の試験なので、その年によって合格点は変わります。
絶対評価
「合格点◯点以上」など合格の基準が明確な試験。
\宅建はこっち!/
相対評価
成績の良い順に予定している合格者数だけ合格になる試験。
つまり、受験生のレベルが全体的に高い(または試験問題が簡単だった)年はみんなが高得点を取れるので合格点が高くなります。
反対に受験生のレベルが低い(または試験問題が難しかった)年はみんな点数を稼げないので合格点は低くなります。
念のため40点を目指して勉強するのがおすすめ!
本当の合格率はもっと高い?
合格率が16%前後と聞くと、4人に1人は落ちる計算になります。
しかし、私個人の体感ですが、真の合格率はもっと高いのでは?と思います。
私が感じる「真の合格率」とは、本気を出し切った人だけで算出した合格率です。
宅建試験は例年、「この人なんで受験してるんだろ…」と感じてしまうくらい、ほぼノー勉の記念受験さんがたくさんいます。
上司に受けろって言われたから申し込んだけど、正直勉強とかやる気でねーし。頑張ったけど無理だったことにしよー。
宅建欲しいから毎年チャレンジしてるけど、仕事忙しいし今年も勉強できなかったな〜来年頑張るか〜。
実際に職場にたくさんいます。私自身がこんな感じで落ちたことも2回あります…今となっては黒歴史。
本気で挑んだ人だけで合格率を算出したら30〜40%くらいにはならないかな?なんて予測。あくまで肌感ですが!
ちなみに、宅建試験は毎年約25万人の受験申込がありますが、実際に試験を受けに来るのは20万人程です。
毎年約5万人、「受けても無駄だから行かない」と本試験前に勝手にリタイアしてるんですね。
その他に、受けても無駄なのがわかっている(あきらかな勉強不足を自覚している)のに一応来る人もいます。
マークシートだし、ミラクルある?なんて希望を捨てきれないみたい。
こういう人が合格率を下げてます!
他資格との難易度比較
\タブの切替が可能です/
資格名 | 合格率 |
---|---|
1位 司法書士 | 3.5% |
2位 技術士 | 4% |
3位 中小企業診断士 | 4% |
4位 社労士 | 5% |
5位 土地家屋調査士 | 8% |
6位 弁理士 | 8.5% |
7位 マンション管理士 | 10% |
8位 測量士 | 11.5% |
9位 行政書士 | 13% |
10位 通関士 | 13% |
11位 FP1級 | 13% |
12位 宅地建物取引士 | 16% |
13位 貸金業務取扱主任者 | 25% |
14位 社会福祉士 | 27% |
15位 採石業務管理者試験 | 30% |
16位 賃貸不動産経営管理士 | 30% |
17位 司法試験 | 30% |
18位 第一級陸上特殊無線技士 | 35% |
19位 FP2級 | 40% |
20位 衛生管理者第1種 | 45% |
宅建の一般合格率は約16%ですが、通信講座受講生の合格率は50%〜70%です!
おすすめの勉強法と学習開始時期
宅建試験の勉強方法には、予備校・通信講座・独学があります。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
予備校・通信講座・独学、それぞれのルートで宅建試験合格を目指すことをダイエットに例えてみるとこんな感じ。
宅建試験の勉強で重要なのは、正しい勉強法と、モチベーション維持です。予備校や通信講座の方が強制力が強いので継続しやすく、結果として合格率も高くなります。
正しい勉強法や戦略については、独学でも情報収集の手間はかかりますが手に入れることはできます。ただ「手に入れた情報を正しく使えるかどうか」が問題です。
間違ってるときに軌道修正してくれる人が居ないことが合格率の違いに現れます。
ダイエット法はネットでいくらでも調べられます。自力でダイエット可能ですし、成功している人だってたくさんいます。
それでもやっぱりパーソナルジムのほうが効果は出やすい。そういうことです。
予備校・通信・独学
\メリット・デメリット/
予備校 メリット | 通信講座 メリット | 独学 メリット |
強制力がある 合格率が高い 仲間ができる 質問や個人面談などサポートが手厚い | 受講料が安い 合格率が高い 好きな時に勉強できる 講義動画を繰り返し視聴 講師が優秀 | 費用が安い 好きな時に勉強できる |
予備校 デメリット | 通信講座 デメリット | 独学 デメリット |
受講料が高い 実際に通学する必要がある 講師に当たりハズレがある | 強制力が少ない 質問の回答が遅い | 合格率が低い 強制力がない 質問ができない 法改正情報が届かない 学習ペースの確認ができない |
予備校・通信講座・独学の違について、もっと詳しく知りたい人はこっちの記事も読んでね!
勉強時間の目安
宅建試験に合格するためには、300時間から500時間の勉強が必要とされています。
期間でいうと、3ヶ月間〜6ヶ月間くらいの期間勉強に費やすのが一般的!
ただし、期間については1日あたりどのくらい勉強できるかによって変わります。自分の生活にあてはめて計算してみましょう!
勉強時間の例
モデルケース | 500時間予定 | 300時間予定 |
---|---|---|
平日1時間+休日3時間 =月44時間 | 例1 ワーママさん前年10月頃スタート | 約1年2月頃スタート | 約7ヶ月
平日2時間+休日5時間 =月80時間 | 例2 単身社会人さん4月頃スタート | 約6ヶ月半6月頃スタート | 約4ヶ月
平日3時間+休日7時間 =月116時間 | 例3 学生さん、専業主婦さん6月頃スタート | 約4ヶ月半7月頃スタート | 約3ヶ月半
資格試験に慣れていない人や、事前知識が少ない人は500時間くらいを目安にしてもいいかも?
私のX(旧Twitter)のフォロワーさん約500人にアンケートを取りました!参考にしてください!
初学者さんで一番多かったのは3ヶ月、次に6ヶ月。
リベンジさんで一番多かったのは6ヶ月、次に3ヶ月でした!
投票数は一発合格さんより、リベンジさんのほうが多かったです。
どちらも1年以上勉強した人は少ないようですね。
あなたはいつから始めるのがいいかな?学習期間についてもっと知りたい人はこちらも読んでみてね!
登録講習(5問免除)について
登録講習(5問免除)は宅建業に従事している人が受けられる講習です。
講習を修了すると、修了試験に合格した日から3年以内に実施される宅建試験で、5問が免除されます。
5問解かなくてもいい!解かなくても5点もらえます!
その代わり、試験時間が10分だけ短くなります。
登録講習(5問免除)の受講内容
- 約2ヶ月間の通信講習
- 計10時間のスクーリング
- 1時間の修了試験
申込みをすると自宅に教材が届くので、それを使って2ヶ月間は自分で勉強。その後1日〜2日間のスクーリングで最後に試験を受けて修了。
この修了試験に落ちる人はほぼ居ないので、登録講習はお金を払えば5点もらえると思ってOKです。
金額は、実施機関によってことなりますが15,000円〜20,000円くらいが相場ですね。
登録講習(5問免除)について詳しく知りたい人はこっちの記事も読んでね!
宅建と相性のいい資格4選!同時受験がおすすめ!
宅建試験の試験範囲は広く、不動産以外に民法や税金に関することも学びます。
そのため、他の資格と試験範囲が被っているところが多くあります!
つまり、ダブル受験・トリプル受験が効率的に叶う!
資格名 | 宅建と被っている範囲 | 2025年 試験日 |
---|---|---|
賃貸不動産経営管理士 | 民法(賃貸借・使用貸借) 借地借家法 | 11月16日 |
マンション管理士 | 民法 借地借家法 区分所有法 都市計画法 建築基準法 不動産登記法 不当景表法 | 11月23日 |
管理業務主任者 | 民法 不動産登記法 宅建業法 都市計画法 建築基準法 不当景表法 区分所有法 借地借家法 | 12月7日 |
ファイナンシャルプランニング技能士(通称FP) | 相続 借地借家法 不動産登記法 区分所有法 宅建業法 都市計画法 建築基準法 税金 | 5月、9月、1月 ※級によって異なる。詳細はこちら |
マークがついている3つは、宅建と合わせて保有していると「不動産4冠」とも言われます。
私は賃貸不動産経営管理士とFP2級を持ってます!
私の職種的に、賃貸不動産経営管理士とFPが活かせると思ったので優先的に取得しました。
管理業務主任者とマンション管理士は実務的には必要ないのですが、知識を深めるためにいつかチャレンジしたいです!
賃貸不動産経営管理士は宅建よりも難易度が低く感じました。試験日が宅建と近く、試験範囲の被りも多いのでダブル受験に最もおすすめです。
ファイナンシャルプランナーも、2級までなら宅建よりも簡単です。こちらは年3回開催されるので、同時に狙うなら1月試験がおすすめ!
同時受験は頑張る期間が延長されて正直たいへん。ですが、せっかく入れた知識が濃いうちに活用できるので、とっても効率がいいですよ。
一気に駆け抜けましょう!
他の資格が気になる人はこちらも読んでみてね!
よくある質問
宅建は何ヶ月で取れる?
宅建試験の合格に必要な勉強時間(期間)は、人によって異なりますが、3ヶ月〜6ヶ月間で300〜500時間の勉強量を目指すのが一般的です。
学習スケジュールの組み方や、自分に必要な勉強時間の目安を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください!
お金はいくらかかるの?
宅建士として働けるようになるまでにかかるお金は、人によって異なります。
下記の表にあてはめてみてください!
項目 | 金額 | 該当者 | |
---|---|---|---|
受 験 前 | 教材費 | 勉強法による 約10,000円〜 | 全員 |
A 5点免除講習受講料 | 15,000円〜20,000円 | 宅建業従事者 任意 | |
B 受験料 | 8,200円 | 受験者全員 | |
合 格 後 | C 資格登録手数料 | 37,000円 | 登録希望する場合 |
D 宅建士証交付手数料 | 4,500円 | 交付希望する場合 | |
E 登録実務講習 | 20,000円〜 | 2年以上の実務経験がなく、登録希望する場合 | |
更 新 時 | F 法定講習受講料 | 12,000円 | 登録から5年で更新(合格から1年以上後に登録する場合も必要) |
G 宅建士証交付手数料 | 4,500円 | 登録から5年で更新 |
上記の表をいくつかの例に落とし込んでみるとこんな感じになります。
\例3パターン/
- 宅建業従事者、実務経験2年以上、5点免除受講、登録希望
→ABCDの合計で64,700円 - 宅建業社ではない、実務経験なし、登録希望
→BCDEの合計で69,700円 - 宅建業社ではない、実務経験なし、登録希望しない
→Bのみ8,200円
③の場合だと宅地建物取引士として登録をしないので「宅地建物取引士試験合格者」です。宅建士としての仕事は出来ません。
全パターンで、教材費は別途かかります。
独学:1万円前後
通信講座:2万円〜6万円ほど
予備校:10万円以上
F 法定講習受講料とG 宅建士証交付手数料の合計16,500円は5年毎の更新のたびにかかります。
更新をしないと宅建士として働けませんが、試験合格は一生有効なので一度更新をやめたり、最初は登録しなくても手続きをすると再び宅建士として働くことができます。
まとめ|宅建はコスパのいい資格!取っておいて損なし!
宅建士は、不動産業界や建築業界では不可欠な人材です。そのため、就職や転職で有利になります。
資格手当の相場は月2〜5万円!パートやアルバイトでも高時給で働ける!
一度取得すると一生ものの資格です。ライフスタイルが変わっても、様々な働き方で活かすことができます。
受験資格がなく、初学者でも半年ほどの学習期間で取得できるので、とてもコスパがいい資格です。
ただし、一般合格率は16%前後。勉強法や取り組み方によっては挫折してしまい、時間とお金を無駄にする羽目になりかねません。
しっかり準備して心してかかりましょう!宅建は、正しく頑張れば誰にでも取れる資格です!