【宅建権利関係を攻略】権利関係や民法を捨てるのはあり?優先順位と必ず出る範囲を解説!
■ 権利関係が難しくて挫折しそう…
■ 権利関係は捨てるほうが良いって聞くけど本当なの…?
宅建試験の全50問中14問出題される権利関係。しかしこの権利関係との付き合い方を間違えると、不合格コースまっしぐらです。
なぜなら権利関係(特に民法)は他の分野に比べて範囲がとても広いから。一生懸命勉強しても、本試験で出題される範囲は実は半分ほどしかありません。
私は過去4回の不合格を経験し、そのうち1回は権利関係に深入りしすぎたことが不合格の原因でした。
この記事の前半では、権利関係(民法)の必ず出る範囲と捨てるべき範囲を過去10年の出題傾向を元に算出した優先度ランキング表で解説。
後半では「どうしてもわからない問題の対処法」をご紹介しています。
この記事を読むと、権利関係(民法)のテーマごとの優先順位がわかるので、効率的な勉強を進めることができますよ!
権利関係は民法の一部を捨てるのもあり!
合格点から逆算して学習範囲を決めよう!
大手不動産会社で社内営業成績1位を3年継続
学力皆無、地元でドベの高校卒
宅建試験4度の不合格を経て5度目の受験で合格
宅建試験1ヶ月前に第一子を出産
資格
宅地建物取引士|賃貸不動産経営管理士|2級ファイナンシャル・プランニング技能士
親が地主、オーナー会社共同経営
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記事の途中でも画面右下
宅建権利関係(民法)を捨てるのはあり!
優先順位を明確にしよう!
「権利関係は深入りするな」「権利関係(特に民法)は捨てるべき」という意見をよく見かけます。
私も基本的にはこの意見に賛成です!なぜなら宅建試験で王道の攻略法(戦略)は出題頻度が多く、難易度の低い問題から優先することだからです。
宅建は相対評価の試験です。合格できるかどうかは、自分の実力だけではなく他の受験生との争いになります。
絶対評価
「合格点◯点以上」や「上位◯%が合格」など合格の基準が明確な試験。
\宅建はこっち!/
相対評価
成績の良い順に予定している合格者数だけ合格になる試験。
相対評価だからこそ、みんなが得点できる問題は落とすわけにはいかない!
冒頭でもお話した「権利関係は深入りするな」「権利関係(特に民法)は捨てるべき」という意見の根拠は、権利関係には「難易度低・出題頻度低」のテーマが多いためです。
頑張って勉強しても得点に繋がらない可能性が高いから効率が悪い。だから、優先順位をつけるなら後回しになっちゃうんですね。
権利関係(民法)はなぜ出題頻度にムラがあるのか
テーマごとの出題頻度の違いは、出題される範囲の広さに関係しています。範囲の広さは条文の数を比較すると分かりやすいです。
条文の長さは1つひとつ違いますから、数だけでは正確なボリュームは測れませんので目安として見てください。
特に「税」の範囲は条文数500近くありますが、その中でも宅建試験で問われるのはほんの一部です。でも、民法はマジで広く浅く出題されます。
権利関係の内訳は民法10問、特別法4問。民法は条文は1,000以上の中から10問出題されます。
頑張って勉強しても半分以上は出題されないんですね。
反対に宅建業法は少ない範囲から20問も出題されるのでほぼ全部出ます!努力が無駄になりませんね。
では、「権利関係は深入りするな」とはどのくらいなのか?「捨てるべき」なのはどの範囲なのでしょうか?
権利関係は、他の法律の土台(基本)になる考え方なので、全く勉強せずに挑むのはよくありません。(他の大事な範囲を理解するのが難しくなります。)
宅建業法などは、民法(基本)があってからの応用編の法律といった建付けなので、宅建業法を極めるためにも民法(基本)が必要です。
「権利関係に深入りするな」の意味を噛み砕くと「テキストに載っていない範囲の細かい問題は解けなくても無視しろ」ってことです。
問題演習をしていると、「難問奇問や捨て問」と言われる難しい問題もでてきます。
全部の問題を完璧に理解したくなるのですが、民法でそれをやるとキリがなくなります。
権利関係(民法)は全体をざっくりと理解する必要はある。しかし、得点に結びつけるのは難しい範囲も多いので、精度を上げる学習は優先度を落とす。ということになります。
この前提を踏まえて、優先する範囲を予め決めて勉強する方が効率が良いです。優先順位の絞り方は冒頭でもご説明した下記の2つ。
- 出題頻度で絞る
必ず出る問題 > 出題頻度の低い問題 - 難易度で絞る
簡単な範囲 > 難しい範囲
基本的には出題頻度を軸に考えます。毎年必ず出る範囲や出題頻度の多い範囲を優先的に勉強します。
次に、得意な範囲は優先度を上げたり、出題頻度は多くても毎年極端な難問が多い範囲は除外したりと調整します。
他の資格とダブル受験する人は被ってる範囲を優先すると効率が良いです!得意な範囲は人それぞれなので、自分なりに調整しましょう!
分野ごとの目標点数を明確にして、この点数分はしっかり勉強する!と意識しましょう。
- 宅建業法 19/20
- 免除科目 4/5
- 法令上の制限 6/8
- 税・その他 2/3
- 特別法 3/4
- 民法 6/10
合計 40点
優先順位はテーマ(単元)ごとに仕分ける
優先順位を考える際は、分野ごとではなくテーマごとに仕分けをします。テーマとは分野内の細かい単元のこと。
宅建業法→「営業保証金」「35条書面」
法令上の制限→「開発許可」「農地法」
このように同じ分野の中でもいくつかのテーマに分かれていて、それぞれ難易度や優先度が異なるので、単元ごとに扱うようにしましょう。
民法では一部の総合問題を除き、基本的には1つのテーマにつき1問が出題されます。(総合問題とは、四肢択一の4肢のテーマがバラバラな問題のこと。)
こちらの図③は、私が個人的に宅建の過去問を研究するために作成したスプレッドシート。問1〜問10の全10問が民法の問題です。
毎年2〜3問テーマの混在した総合問題が出題されますが、それ以外は基本的に1問につき1テーマで、被りがありません。(ピンクの枠で囲ってるのが総合問題)
「今年は相続の問題が3問でたな〜」なんて、同じ年に同じテーマの問題が何問も出題されることはほぼあり得ません。
つまり、1つのテーマを完璧に攻略すると、そのテーマが出題されれば基本的に1点取れる!という予定を立てられます。
テキストにもよりますが、民法だけで15〜20テーマに分けられています。この中で優先度の高いものから順に10テーマくらいに力を入れるのがおすすめ。
10テーマ頑張った中で、いざ出題されたけど間違えた。とか、他で運よく正解した!とかを合わせて民法10問中5〜6点取れると御の字です。
ちなみに、民法と宅建業法以外の範囲は毎年出題されるテーマも問題の番号も固定です。
例:問11は毎年借地借家法の借地が出題されます。
\タップで拡大/
下記の表で単元ごとに優先度をつけてランキングにしてみました。
A=精度100%まで極める
B=精度100%、時間なくても80%までは極める
C=余裕のある人は頑張る
\テーマ別優先度ランキング/
分野 | 単元名 | 優先度 |
---|---|---|
宅建業法 | 全範囲 | A ほぼ落とせないので最優先 |
免除科目 | 全範囲 | |
法令上の制限 | 都市計画法|開発許可 | A ちょっと難しいが必ず出るので優先 暗記で対応するものが多い |
法令上の制限 | 農地法 | |
法令上の制限 | 土地区画整理法 | |
法令上の制限 | 宅地造成等規制法 | |
法令上の制限 | 国土利用計画法 | |
法令上の制限 | 建築基準法|建築確認 | |
法令上の制限 | 建築基準法|単体規定 | |
法令上の制限 | 建築基準法|道路制限 | |
法令上の制限 | 建築基準法|建蔽率 | |
法令上の制限 | 建築基準法|容積率 | |
法令上の制限 | 建築基準法|高さ制限 | |
法令上の制限 | 建築基準法|防火・準防火地域 | |
権利関係 | 民法|賃貸借・使用貸借 | A 必ず出題されるので優先 ダブル受験の人は出題範囲が被ることの多い範囲 |
権利関係 | 特別法|借地法 | |
権利関係 | 特別法|借家法 | |
権利関係 | 特別法|区分所有法特 | |
税・その他 | 固定資産税 | A 固定資産税か不動産取得税は毎年どちらか1問だけ出題 時間が足りなければ出題傾向からヤマ当て |
税・その他 | 不動産取得税 | |
税・その他 | 地価公示法 | A 地価公示法か不動産鑑定評価基準は毎年どちらか1問出題 時間が足りなければ出題傾向からヤマ当て |
税・その他 | 不動産鑑定評価基準 | |
権利関係 | 民法|共有 | A 普段なら優先度低いが近年は法改正の影響で出題の可能性が高い |
法令上の制限 | 都市計画法 | A〜B 難しいので時間が足りなければ後回しB 必ず出るので得意ならA |
法令上の制限 | 建築基準法|用途制限 | A〜B 暗記量がエグいので時間が足りなければ捨てるのもあり 暗記が得意ならA |
権利関係 | 特別法|不動産登記法 | A〜B 必ず出題されるが難問が多い 得意ならA苦手ならB |
権利関係 | 民法|意思表示 | A〜B 出題頻度が比較的高いのでなるべく頑張る 勉強時間に余裕のある人はA時間がない人はB |
権利関係 | 民法|代理・無権代理 | |
権利関係 | 民法|時効 | |
権利関係 | 民法|売主の担保責任 | |
権利関係 | 民法|相続 | |
権利関係 | 民法|制限行為能力者 | |
権利関係 | 民法|弁済・相殺・対抗要件 | |
権利関係 | 民法|請負・委任 | |
権利関係 | 民法|債務不履行・解除・手付 | |
権利関係 | 民法|不法行為 | |
税・その他 | 印紙税 | B 出題頻度が低い 暗記項目が多く難易度も低いので出たらラッキー |
税・その他 | 登録免許税 | |
法令上の制限 | その他の法令制限 | |
権利関係 | 民法|抵当権・根抵当権 | B〜C 毎年出題されるが難問が多いので深入りしなくても良い 勉強時間に余裕のある人はB時間がない人はC |
税・その他 | 所得税 | C 出題頻度が低く難易度が高い、時間が足りなければ軽くでOK |
権利関係 | 民法|保証・連帯保証 | C 出題頻度が低いので時間が足りなければ軽くでOK 最悪勉強してなくても国語力と常識で解ける可能性あり |
権利関係 | 民法|連帯債務・連帯債権 | |
権利関係 | 民法|債権譲渡・債権引受 | |
権利関係 | 民法|地上権・永小作権・地役権 |
このランキングはあくまで私の肌感です。ですが各種通信講座や有名YouTube講師の方々の推奨している順番と大体同じなので、的外れな内容ではないはず!
AランクBランクだけでも得点すると、合格点に達することが出来ます。ABが100%完璧ならCに進むと45点以上の高得点も目指せるでしょう。
ただし、Cランクの勉強を進めている間にABの知識が抜け落ちてしまうような自体は避けてください。
厳密には得意不得意があると思うので、自分なりにカスタマイズする参考にしてください!
宅建権利関係(民法)
優先順位が高い必ず出る範囲の勉強法
前章で宅建試験全分野の優先順位を単元ごとにランク付けしました。この章では具体的にどの手順でどのくらい勉強したら良いのかを解説していきます。
- パターンA 業法スタート
宅建業法→法令上の制限→税・その他→権利関係 - パターンB 権利スタート
権利関係→宅建業法→法令上の制限→税・その他
学習の順番はどちらでも構いません。受講している通信講座などがあればそちらの方針通りにしてください。まずは全範囲1周〜2周学習、その先は重要な部分や苦手な部分を優先的に反復します。
どこまで精度を高めるべきかというと「宅建業法の全範囲」と「その他の分野のA〜Bランク」の単元は精度100%です。
精度100%の基準はこんな状態!
①全選択肢で理由付けして正解できる
②人に説明できるくらい完璧に理解している
最優先範囲の仕上がりをスポーツで例えると、抜群の安定感を誇るプロレベルまで鍛錬すること。
少年野球や草野球レベルじゃ上手でもまだ不安定。「失敗するんじゃないか…?」ってハラハラするくらいでは足りません。「俺に打てない球はない!」ってくらいの自信を持てるまで突き詰めます。
宅建試験はみんなが解ける問題を解ければ合格できる試験です。確実にプロレベルに達しているのに解けなかった問題は、他の人も解けていないので大丈夫だから気にしない!
でもこのレベルまで仕上げるのは正直かなり大変なので、勉強時間によっては優先順位を付ける必要がでてきます。なるべく多くの範囲でプロレベルに達するように頑張りましょう。
勉強の手順は基本的に、インプット(講義動画やテキスト)
アウトプット(問題演習や暗記)を繰り返して進めます。1つの分野を勉強して、時間が空いてしまうと絶対に忘れるのでなるべく並行して繰り返します。全範囲の周回をしながら、たまにA〜Bランクだけ周回する回を追加するといいです。
例
全範囲をまず2〜3周
A〜Bランクだけ1周
全範囲を1周
A〜Bランクだけ1周
勉強法や手順について詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にしてください!
宅建の権利関係
必ず出る範囲は6つ!
過去10年の権利関係の出題範囲を調査しました。1章目でご紹介した優先順位は、このデータを根拠に考えたものです。
- 必ず出る問題 > 出題頻度の低い問題
- 簡単な範囲 > 難しい範囲
最も優先順位が高いのは出題頻度が高く、簡単な問題です。
出題頻度×難易度=優先度
この考え方で優先順位をつけています!
スマホの人は横向きにすると見やすいです!
優先度 | 出題頻度 | 難易度 | 2022 R4 年 | 2021 R3年12月 | 2021 R3年10月 | 2020 R2年12月 | 2020 R2年10月 | 2019 R1年 | 2018 H30年 | 2017 H29年 | 2016 H28年 | 2015 H27年 | 2014 H26年 | 2013 H25年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
民法 10問 | |||||||||||||||
制限行為能力者 | B | 6回 | 中★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
意思表示 | A | 8 | 高★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
代理・無権代理 | A | 9 | 高★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
弁済・相殺・対抗要件 | B | 6回 | 中★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
時効 | A | 11 | 高★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
請負・委任 | B | 6回 | 中★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
債務不履行・解除・手付 | B | 6回 | 中〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
保証・連帯保証 | C | 低 3回 | ★ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||||
連帯債務・連帯債権 | C | 低 2回 | ★ | 〇 | 〇 | ||||||||||
債権譲渡・債権引受 | C | 低 4回 | ★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||
契約不適合責任 | A | 8 回 | 高★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
共有 ※法改正のため重要 | A | 回 | 低4★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||
抵当権・根抵当権 | A | 10 回 | 高★★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
地上権・永小作権・地役権 | C | ★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||
不法行為 | A | 7回 | 高★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
相続 | A | 12回 | 高★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
賃貸借・使用貸借 | A | 12回 | 高★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
特別法 4問 | |||||||||||||||
借地法 | A | 12回 | 高★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
借家法 | A | 12回 | 高★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
不動産登記法 | A | 12回 | 高★★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
区分所有法 | A | 12回 | 高★★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
優先度A
必ず出る範囲・出題頻度の多い範囲
特別法の4テーマは毎年必ず出題されます。その他で、過去10年間で毎年必ず出題されているのは「相続・賃貸借」の2つです。
- 特別法|借地法
- 特別法|借家法
- 特別法|区分所有法
- 特別法|不動産登記法
※難易度 高 - 民法|相続
- 民法|賃貸借
不動産登記法以外はそれほど難易度は高くないので優先的に勉強しましょう!
不動産登記法は誰も解けないような難問が出題される年もあれば、過去問演習で十分対応できるラッキー問題が出る年もあります。
難問が出題されたら勘で選ぶしかなくなりますが、確実に出題されるのでしっかり対策しておきましょう!
頻出テーマ
- 意思表示
- 代理・無権代理
- 時効
- 売主の担保責任
- 不法行為
- 抵当権・根抵当権
※難易度 高
「抵当権・根抵当権」は出題頻度が10年間で10回とほぼ毎年出題ですが、難しい問題が出題されることが多いのであまり深入りしなくても大丈夫です。
勉強時間に余裕があれば固めましょう。その他の範囲は優先的に勉強するのがおすすめです!
優先度B
出題される可能性はそこそこな範囲
過去10年の出題回数が5回以上なのが下記の範囲です。上記の表で優先度Bと表記しています。なるべくカバーしたい範囲ですが、どうしても他の重要分野が間に合わない場合は切り捨てるのもありです。
頻出テーマ
- 制限行為能力者
- 弁済・相殺・対抗要件
- 請負・委任
- 債務不履行・解除・手付
法改正がある法律は狙われる可能性が高いので優先度が高くなります!
例えば「制限行為能力者」はずっと出題されていなかったのに未成年の年齢引き下げがあったので、直近3回は連続出題となりました。
優先度C
出題頻度の少ない範囲
過去10年の出題回数が5回以下で比較的少ないのは下記の範囲です。優先度Cと表記しています。
難易度もそんなに高くない範囲なので、軽く押さえておく程度でいいと思います。
最悪、国語力と一般常識で対応できる問題もあります。余裕がある人は学習し、余裕がない人はこの範囲捨てるのもありです。
- 保証・連帯保証
- 連帯債務・連帯債務件
- 債権譲渡・債権引受
- 地上権・永小作権・地役権
ダブル受験の人は優先したい範囲
ダブル受験を検討している人は、ご紹介した優先順位に囚われずに被っている範囲を重点的に勉強すると、かなり楽に他の資格も取得できます。
特に、深煎り厳禁!とお話していた「民法」は他の資格と同時取得が目的なら捨てるわけにはいかない、むしろ優先的に得意分野にしたい範囲です。
資格名 | 宅建と被っている範囲 | 2023年 試験日 |
---|---|---|
賃貸不動産経営管理士 | 民法(賃貸借・使用貸借) 借地借家法 | 11月19日 |
マンション管理士 | 民法 借地借家法 区分所有法 都市計画法 建築基準法 不動産登記法 不当景表法 | 11月26日 |
管理業務主任者 | 民法 不動産登記法 宅建業法 都市計画法 建築基準法 不当景表法 区分所有法 借地借家法 | 12月3日 |
ファイナンシャルプランニング技能士(通称FP) | 相続 借地借家法 不動産登記法 区分所有法 宅建業法 都市計画法 建築基準法 税金 | 5月、9月、1月 |
全部狙う場合は2年に分けると効率が良いかもしれませんね!
私の場合は宅建と賃貸不動産経営管理士を2022年にダブル取得!2024年に2級FP技能士に合格しました!
次の資格取得を有利にすることも視野に入れるなら、権利関係に力を入れて勉強しましょう。
しかし、市販の宅建対策用教材やYouTubeの講義動画は基本的にはみんな権利関係(民法)は程よく捨てたり、優先順位を下げる方針をおすすめしています。
そんななか、唯一権利関係(民法)にフォーカスしたカリキュラムで展開している通信講座が資格スクエアです。
普段は行政書士講座を担当されている、民法に強い超人気講師が宅建講座も担当しています。講義がわかり易すぎて、話し方がうますぎて感動しました。
無料体験で講義動画も視聴できます!ちょっとでも気になる人は見てみてください!
最後の神頼み
どうしてもわからない時の対処法5選
全問解き終えると、どうしてもわからない問題が誰でもいくつか出てきます。
単純に勉強不足、または暗記項目を忘れてしまった場合もありますし、年に数問は絶対に解けない難問奇問が紛れ込んでいるからです。
とはいえ、うっかり正解できるとその1点2点に救われる可能性があるので、このような難問奇問にも諦めずに取り組みましょう。
\タップすると読みたいところへ飛べます/
わからない時の対処法①
ハートで解く(特に民法)
問題を解く知識がなくても、国語力や常識、自分の価値観で問題を読んで勘で当てに行きます。この方法は主に民法で活用できる場面が多いと思います。
例えば下記の問題、一般正答率24.3%だったので解けなくてもしょうがない問題ですが私は勘で正解しました。
\タップで拡大/
全く知識のない選択肢2では、親が親権放棄するのってそんな簡単な訳なくない?っていう感覚での選択です。
他にも、選択肢をじっくり読み込むと「選択肢1と選択肢2では言っていることが違う。」ということは「どちらかが◯でどちらかは✕だ。」などとアタリをつけられる問題も稀にあります。
このように、じっくり読み込むと「あれ?これおかしくない?」って感じで正解にたどり着くこともあるので諦めないで読み込みましょう。
ですが難問奇問に時間をかけて向き合うのは他が完璧に終わって最後に余った時間にしてください。
わからない時の対処法②
消去法で解く(組み合わせ問題)
「正しいものの組み合わせはどれか」と出題される組み合わせ問題は、全ての選択肢の正誤を判断できなくても解答できる場合があります。
このような状態になったとき、アとウがわからなければ無理に考えないでこの状態で組み合わせを確認します。
イが絶対に◯なら、正解肢として可能性があるのは「3 イ、ウ」か「4 イ、エ」のどちらかということになります。エは✕なら「3 イ、ウ」が正解肢です。
組み合わせ問題はこのように、1つでも確実に正誤の判断がつくと最終的な解答までたどり着ける可能性があるので、全ての選択肢を一通り確認したら、消去法でいけないか確認してみましょう。
「?」の選択肢を追求したい気持ちになりますが、それは最後に余った時間で戻って行いましょう。
わからない時の対処法③
肢切りテクニック
肢切りテクニックとは、選択肢の文末表現で「◯の選択肢」か「✕の選択肢」かを見切る方法です。法律の問題は、例外を認めない選択肢は誤りであることが多く、逆に例外を認める選択肢は正解のことが多いです。
必ず〜しなければならない/常に〜である/すべて/余地はない/ことはない
当然〜できる/有無に関わらず〜できる/いかんに関わらず〜できる/直ちに/〜に限り
場合がある/余地がある/当然には〜できない
知識で解けない場合や2択で迷ってしまったときは、文末表現に注目してみましょう!
わからない時の対処法④
全体のバランスを見る
宅建試験の問題は四肢択一です。1〜4どれかに振り分けられるのですが、この割合は毎年ほぼ均等になっています。
そのため、これまでのテクニックを使ってもどうしても決められなかったときは、全問のバランスを確認して少ない選択肢にしておくという手があります。
でもこれは全問の集計をする時間が必要なので、よっぽど時間が余った時の最終手段です。
わからない時の対処法⑤
どうしようもなかったら3にマーク
正解肢の割合はほぼ均等とお話しましたが、実は微妙に3が多いです。
1や2が正解だと、その時点で飛ばしてペースアップすることもできるので、正解肢を後ろに設定して問題文をなるべく多く読ませようという制作者側の意図な気がします。
- 正解肢1 21.08%
- 正解肢2 22.31%
- 正解肢3 23.54%
- 正解肢4 21.38%
集計する時間はないけど、どうしてもわからないというときは3を選んでおくとほんの数%ですが当たる確率が高いですよ!
こちらの記事で、本試験で使える時短テクニックやおすすめの時間配分をご紹介しています!
今回の「どうしてもわからない時の対処法5選」とあわせてご活用ください!
まとめ
宅建の権利関係は民法の一部を捨てるのもあり!
勉強時間が足りない人は、優先度の高い宅建業法や法令上の制限が疎かになるくらいなら早めに民法の一部を捨てる選択をしましょう。
出題されるかわからない範囲よりも、必ず出る範囲を確実に取りに行くほうが何倍も大切です。
どの範囲を捨てるのがいいのか、わからなくなったらこの記事を見直して参考にしてください。いちいち自分で情報収集をするのは大変だし時間がもったいないので、困った時に見れるようにしておくと安心です。
優先順位の高い範囲は100%の精度まで仕上げてください。100%の精度とは「人に説明できるくらい。」
テキストや資料を見ずに「この法律はこんな内容!」とペラペラおしゃべり出来るくらいになりましょう!